2011年9月18日日曜日

19

早起きしてパッキングをすませ、起きてきたジョンとユーディットと朝食。ユーディットは札幌のレジデンスに行ってみたいという。なんでサッポロ?って訊くと、「羊をめぐる冒険」の中で主人公が訪ねていくでしょう、その印象があって行ってみたいの、とのこと。ハルキ・ムラカミはハンブルクでも、よく読まれていました。

二人ともサヨナラして中央駅へ、U3でFeldstrasse、ドラックディーラーへ。展示空間にも別れを告げる。ロルフはこの日は早朝から釣りに、ノルウェーまで出掛けているゆえ、ニールが車で空港まで送ってくれることに。ロルフのフラット、魚の剥製だらけだったもんなあ(魚拓って発想は西洋にはないのかな?)快晴。気分がいい。市内からハンブルク空港までは小一時間ほどのドライブ、道中、ニールが、アイ・ラブ・ハンブルク・ソウ・マッチ、と話してたのが心に残った。ミー・トゥー!

今回もたくさんの人に支えられて、もう、なんつーかお世話になりまくってしまった。ぼくがしたことは、絵を描いて展示しただけだ、皆がしてくれたことはそれを遥かにうわまわる、という思いです。これは、外国なので余計に実感するけど、日本にいるときも同じことだな。 深く感謝しつつ、この日記も本日で終了します。今度はいつになるかな、ハンブルク。必ず。そのときまで、ごきげんよう。


2011年9月16日金曜日

17,18

7:25分発のEuro City でコペンハーゲンへ。コペンハーゲンを見てみたい、というのも勿論あるけど、なんでもいいから鉄道に乗りたかった、という気持ちも大きい。EC、シートは大きいし、客室の隅にコーヒーの入ったポットが置いてあったり(飲み放題)、デンマーク側に入ったときにちょっとした飲み物をくれたり、最高でした。話に聞いてはいたけど、途中で電車ごとフェリーに乗り込んでバルト海を渡り、デンマーク側でまた何ごともなかったように走り出すのが面白かった。5時間弱でコペンハーゲン。初めての北欧。まったく読めないデンマーク語。駅で、大学時代の友人のS君が出迎えてくれる。2年ぶりか。なにせ、ぼくがコペンハーゲンで過ごせる時間はほぼ24時間ぽっちなので、いそいそと外に出る。用事があるS君と分かれて街へ。想像以上に小さい街で、だいたいどこへでも歩いて行ける。ハンブルクと違い、日本人観光客をそこらじゅうで見かける。みんな、ここにおったんか。ドイツの友人から訊いたクリスティアニアにも行ってみる。ヒッピーのコミューンみたいなところ。夜はS君と合流して、チボリ公園へ。19世紀に作られた世界最古のテーマパーク。すごくロマンティック。我々はなぜ男ふたりでここにいるのか?深夜、ユースホステルへ。Generator Hostel Copenhagen、ユースのくせに、いちいちデザインが利いてて、居心地よし。寝るのがもったいない。けど寝る。

二日目。朝食をユースでとって、散歩へ。こちらの店や施設の多くはオープンが遅いので、午前中にできることは実際ほとんどない。一日目は見えてこなかった面白そうな通りや店を見つける。惜しい。大学街をうろうろ。古本やモランのキーホルダーとか買う。デンマーク、またいつか。昼前のICEでハンブルクへ戻る。

夜、ライプツィヒからきてくれたレナと再会。ドラックディーラーから、ポスターやTシャツなどのギフトを戴く。泊めてもらってるフラットでは、さよならパーテイーを企画してくれたり。最後の夜。しってるひと、ほとんどに会えて、よかった。自転車を返し、現地のプリペイド携帯を返し、フラパントの鍵を返し、ぼくはどんどん京都のぼくに戻っていく。明日の昼過ぎにここを発つまで、もう少し。



2011年9月14日水曜日

15,16

突如、コペンハーゲン行きを決めたので、バタバタいろいろ調べる。なおかつ、ハンブルクで過ごせる時間が一気に減ったので、いろいろキュンキュンする。でも、やり残したことって、特にないなあ。友だちになってくれた人たちとできるだけ時間を過ごしておきたいだけ。できるだけ、ドラックディーラーにいるようにする。個展なのでさ。

月曜の夜は、キャロリンと彼氏のタカシさんと食事。タカシさんは日系のドイツ人で、偶然にぼくと似たシャツを着ていて、ふたりともタカシなので、キャロリンがウケてた。ヤーパニッシュ・コネクション。ほろ酔いの帰り道、ドイツでも中秋の名月でした。明るかった。

火曜はスーパーとか文房具屋でおみやげを買ったり。もう、この旅も、おみやげを買う段階に達してしまった。さみしくないといえば嘘。そしてフラパントを訪れて、クリスティーナに(発つのは金曜だけど、彼女に会うのはおそらく最後なので)サヨナラを言ったり。夜はロルフとごはんを食べて、飲んだくれる。だんだんロルフがとんぺいさんに見えてきた。

明日は早起きしてドイッチェ・バーン(国鉄)でデンマークへ向かう。起きれるのか?

2011年9月12日月曜日

14

日曜。昨夜は車で引越したので、自転車をとりにロルフんちまでUバーンで。最寄り駅、Hoheluftbrucke の高架下のフリー・マーケットを覗く。ここ、非常によかった。プロのセラーというより近所の住人が、楽しんで売ってる雰囲気で、しかもこの辺りは高級住宅街なため、モノがよい気がする。シャツとか買う。ヘンなフィギュアとかは相変わらず買う。あとジェーン・バーキンのドイツ盤のシングルを1ユーロで、とか。こういうところで、ときどき、作者不詳のアノニマスな油絵が売られていて、だいたい印象派風のタッチで風景や室内を描いているんだけど、全然わるくなくて、こういうの部屋に飾ってもイイよな、という気になる。とくに革命的な要素はまったく無いんだけど、ただただかんじのよい絵。いままで、こういう絵に興味を持ったことはなかったので新鮮な気分。作者不詳ゆえの良さってあるよなあ。ちょっと考えたい。でも、そこ、目指す気はありませんが。

写真は、街のど真ん中、Jungernsteig 駅前。
「モイン!モイン!ハンブルクの皆さん、こんにちは!」
アップル・ストアがまもなくオープンだそう。これ、偶然通りかかって見つけたとき、ワクワクした。こういうの、うまいな。そこは見習いたい。

13

土曜日。ロルフが小旅行を企画してくれて、バルト海までドライブ。といっても、ふたりとも昨夜はフラパントのパーティーで明け方まで暴れてたので、昼前にゆっくり出発。ぼくは初めてのアウトバーンにちょっと興奮してる。思ってたほど、皆がみんな、カッ飛ばしてる訳じゃないな。150kmくらいか。老夫婦がsmart で果敢に走ってたりします。1時間ちょいでビーチに到着。松林を抜けると目の前に、青白い、穏やかな海が、曇り空の下にひろがる。いいな。敦賀の松原を思いだす。突堤、海月、ハンブルク・メイドのコーラ。一瞬、陽が射して、モーターボートが気持ち良さそうに突っ切っていった。素晴らしい休日。

戻ったその足で、ぼくは2度目の引越し。今度は、ジョン&ユーディトのフラットへ。中央駅のすぐ裏、一気に街のど真ん中にやってきました。ユーディットは火曜まで実家(ドイツ南部)に帰っているので、男二人で、日本の特撮の話とか。なぜ仮面ライダーは昆虫っぽいのか?と訊かれて、英語で説明するの、ひじょうに難しかったです。ノーマルなマンがトラフィックアクシデントで一旦キルド、その後スペシャルなオペレーションを受けてメタモルフォーゼしたんだとか何とか、しどろもどろで。こういう英会話の練習をしていったほうがいいな。こちらでメジャーなアニメは「アタックNo.1」と「星銃士ビスマルク」だって。



2011年9月11日日曜日

12

昼、シルヴィにSt.Pauli のコミック・ショップに連れて行ってもらう。STRIPES&STORIES、ここスゴい、素晴らしい本屋。ぜひ行ってください。スイスのコミック・アンソロジー、Strapazin の最新号など色々買う。

夜はフラパントで、大きなパーティー。完全にメトロみたいになってました。11時スタートだけど、人が増えるのは真夜中過ぎてから、3時くらいが最高潮なかんじで。テレーザ、クリスティーナ、ミラたちはバーカウンターに入って働いてた。皆こういうときは、メイク、ビシッ!、衣装、バシッ!ってかんじで見違える。偉いなあ。

ふだんクールなクリスティーナが踊ってる姿にしびれた。彼女はDJの彼女。


2011年9月9日金曜日

11

昼、ロルフが教えてくれたコミック・ショップへ。街の北東にあり、いままで行ったことのない地域。ハンブルクは街の真ん中に大きなアルスター湖があるのですが、その北端をぐるっと廻るかんじでペダル踏む。自転車と地図って素晴らしいアイテムだ。

前回も買った、Sascha Hommer 編集のコミック・アンソロジー「ORANG」の最新刊をみつけて買う。クリスティーナやユーディトなど、知ってる人が載ってるのが楽しい。あと、Aisha Franz というアーティストの単行本もジャケ買い。どちらも発行元は、REPRODUKT。本を買い出すと途端にお金が減るなり。

夜、Gansemarkt の吉田寮的建物に潜入。コミック・ショップ・カトー(KATO)は、もはやショップというより、オーナーのアレクサの個人事務所兼サロンとして機能しているようだった。アレクサが、ぼくのことを覚えてくれていて、嬉しく。コーヒーをいただく。KATOメイドのジンとラトヴィア(!)のコミック・アンソロジーを買う。

アレクサはもうすぐ、ベルリンに引っ越すのだそう。わたしはハンブルクに生まれたし、ここにいるわけだけど、ずっとこの街にいると、なんていうか村みたいになってくる。大きな街ではあるけど顔をあわす人は限られているし、どこにいっても知り合いばかりで、それはある意味とても快適なことなんだけど、ここらでちょっと新しい場所へ、動いてみたい気がするのよ。その気持ちはすごくよく分かります、アレクサ。

おまけ、本日の良いニュース。絵が一枚、知り合いじゃないひとに売れました。やた!





2011年9月8日木曜日

10

11月のグループ展、個展とおなじものを見せるのはつまらないので、現地制作してみる。
フラパントの、シルヴィのスペースを借りて、しばらく座ってみる。まあ、そんな、いきなりバリバリ制作できませんが。隣の大部屋は、ミラとクリスティーナが使っていて、下の解のごく小さな部屋はテレーザの個室。だったりします。フラパントのことは、もうちょっとレポートしたい。



2011年9月7日水曜日

9

昨夜は自転車を置きっ放して車で来たので、Uバーンに乗って出掛ける。今回はじめての電車。ドラックディーラーで自転車をピックアップし、ギャラリー巡り。messberg駅から中央駅周辺にかけて、ギャラリーが密集しているエリアがあり、その辺をうろうろ。いわゆるコンテンポラリーの、商業ギャラリー群。最後は、サトウミキコギャラリーへ。大崎のぶゆきさんの個展。やはりというか何故かというか、日本人の作品は見易くて、ホッとする。

夜がすごかった。テレーザが皆をうちに招いてくれて、大夕食会。個人宅とはおもえない素敵な空間で、長いテーブルに白いクロスがかかっていて、10人以上いたかな、とても美味しいドイツ料理やワインをいただく。知ってる人はほとんど来ていて、なんだか、お正月みたいでした。このために、どれだけ準備してくれたんだろう。感謝しきれん。外が土砂降りなのも、又よかった。





2011年9月6日火曜日

8

昼間は、ギャラリーを起点に街を探検。教えてもらった画材屋で、紙とかパステルとか買う。なんか作って帰りたい。
11月にフラパントで、去年京都にきていたハンブルクのアーティストたちと、京都のぼくらとの交流展を企画してくれていて、そのときはぼくはこっちにいないけど、5人の作家が京都からハンブルク入りする。ので、やや詳しめに書いとくと、druckdealer から歩いてすぐの、schanzenstrasse、schulterblatt、Y字に交わるこの2本の通り、見るもの多いですよ。後者には、タイカレーとか美味しいアジア系のデリがあり、その隣にHANSENという文房具屋があって楽しいです。前者には、アップルストアとかあり、もっと行くと味噌とか売ってる店があり、もうちょい先、もう違う通りにつながるけど大きい画材屋(jerwitz)があります。その他、カフェとか、ニールおすすめのケーキ屋とか。あと、方向違うけど、Gansemarkt 駅の周辺、吉田寮みたいな建物があり、2年前にぼくらを熱狂させたキテレツ・コミックショップ「カトー」はこの吉田寮に引っ越してしまった。しかも毎週木曜15時~20時しかオープンしてない。それ以外はバイトでもしてんのか?時間あえばトライしてみてください。ぼくの地図、そろそろボロボロになってきた。

夜、ロルフのうちへ引越。案外に閑静な高級住宅街にある。さすがですな。スケボーとか釣りグッズとかシンプソンズのフィギュアとかも山盛りあるけど、めちゃくちゃごちゃごちゃ色々あるけど、知り合いのアーティストの作品がセンスよく飾られていたりもして、人柄をかんじさせるなあ。食べ物、飲み物はとにかく豊富にある。カッコいい。
写真は、見覚えのあるクレイジーなパペット、そして窓から見えるTV塔。



2011年9月5日月曜日

7日目



日曜日ゆえチルアウト。シルヴィは昨日から展示のためケルンへ行っている。地図で見るとけっこう遠いな、ケルン。ぼくは、ベルリンか、ライプツィヒか、コペンハーゲンに行ってみようかと思いつつ、ずっとハンブルクで過ごすのもいいな、と考えてます。誰かなにかオススメあります?
雨だったこともあり、3時くらいまで部屋でだらだらした後、自転車でエルベ河まで行ってみる。大型フェリーの行きかう港、観光客も多い。曇り空の下、河の水を見ていると、えらいとこまで来ちゃったな、おれ、という気分になる。ふだん飲まないコーラを飲む。
存分にそういう気分をチャージした後コーヒー買って帰宅。

2011年9月4日日曜日

6日目

快晴。気温も25度を超えている。昼から、ロルフと一緒にギャラリーの近所のフリマへ。着替え用のリーバイスとか、ヘンなフィギュアとか、LPをジャケ買いしたり。考えてみたら、こっちにきてからほとんどお金を使ってなかった。ごはんはだいたいおごってもらったり、作ってもらったりしているし、移動は自転車だし。こんな日本人で面目ない。

この土日は、いくつかのギャラリーが共催でフェアをしているとのことで、ひとりで街中へ。ぼくが滞在してるのは、アルトナという駅を中心とした地域で、だいたい友だちもこのあたりに住んでいて、ギャラリーも近く、大抵ことたりてしまうので、街の中心にはあまり出ない。だから今日は、左京区民がたまに四条烏丸に出た、みたいなかんじ。

写真は、フリマで手に入れたもの。フリートウッドマックはジャケが小沢さかえチック(ゴメン)で、そう思ってみると可笑しいな。あと、シルヴィのうちのキッチン。ベランダに面してて、たいへん気持ちいい。このうちに滞在するのは月曜まで。



2011年9月3日土曜日

5日目


個展オープニング。この日のために、やってきたという日。なにより嬉しいのは、気持ちよく晴れたってことで、これ、ハンブルクでは非常にめずらしい。ロルフはサングラスをしている(ビースティーボーイズのひとみたいに見えます)万端整い、20時にスタート。


けっこう、どんどん入ってきます


ロルフのご両親も来てくれたり


コドモも。ラガーシャツの子は、2年前にぼくが来てたことを覚えてるそう


華やかなチーム




キャロリンカタリナにも、やっと再会。カタリナはいつも立ち姿がキマってるなー


もういっちょ、カタリナ


もちろん知らないひとも沢山


シルヴィたちは、外で溜まってる


ミラも溜まってる

こんなかんじで26時くらいまで。びっくりするくらいの盛況でした。楽しかった。絵も、友だちが買ってくれたりして、本当、ぼくはいろんな人に感謝しないといけない。この恩、どうやったら返せるの?って話ですよ。この気持ち、何語でいえば伝わるの?なんてさ。

最後はみんな酔っぱらい過ぎなので、バスに自転車を載せて帰宅しました。


2011年9月2日金曜日

4日目




ひきつづきギャラリーにこもり、展示作業の詰め。壁に鉛筆でちょっと描き足したり、ギャラリーがシルクで刷ってくれた販売用のポスターにサインを入れたり。作品の値段も決めなきゃならない。数が40以上あるので、わりとたいへん。ぼくは今回、売りたい。それは、稼ぎたいということも勿論ありますが、絵の場合、「売る/買う」のって、すごい濃いコミュニケーションって気がするのですね、作家とオーディエンスの。なので、せっかくはるばるやってきたので、精一杯、この街の、この国のひとたちとコミットできたらいいな、という気持ちで値付けする。

閉店後、ニールと一緒に自転車でアルトナへ。去年京都にきていた、1010(テンテン)の個展のオープニング。1010という書き方で分かるかな、グラフィティ・アーティストなので本名は伏すが、あの、無頼なかんじの大男に再会。壁画がすごく格好よくて、ほれぼれした。もっと見たい。街で探せるかな。

大きなビルの1フロアを使っての展示で、屋上に抜けてビールを飲んだりして、11時くらいに解散。明日は、ぼくのオープニングなり。

2011年9月1日木曜日

3日目


昼頃に出てギャラリーへ向かう。額を山盛り入れたカバンを背負って、小雨なのでフードをかぶって、ドイツ女子仕様の座高の(俺には)高すぎる自転車で、道間違えながら向かう。7時のギャラリー閉店まで、今日もいちにち、展示作業。

業務連絡。コミック・アンソロジー「KyoCo」0号に参加したみなさん、7冊売れてました!富永大士さん、ジンが3冊売れてました!平竹晋也さん+阪口翼さん、ZINが1冊売れてました!ギャラリーが売り上げを精算してくれたので、次会ったときに渡します、たぶん。

写真は帰り道、信号待ちのときに。綺麗な夕焼け空、8時くらいかな。